Journal article
ジストログリカンの糖鎖異常による先天性筋ジストロフィーの発症機序
実験医学, Vol.20(18), pp.2648-2650
2002
Abstract
ジストログリカンは細胞外基底膜と細胞骨格とを連携するタンパク質であり, 筋ジストロフィーの発症機序において重要な役割を果たすと推測されてきた. われわれは, 先天性筋ジストロフィーではジストログリカンの糖鎖修飾の異常によりこの細胞内外の連携が破綻し, これにより筋病変のみならず脳病変もが引き起こされることを示した. ジストログリカン(dystroglycan:DG)は細胞外に存在する糖タンパク質α-DGと, これを細胞表面につなぎとめている膜タンパク質β-DGからなる. α-DGはさらに細胞外基底膜の主要な構成成分であるラミニンと, またβ-DGはジストロフィンを介してアクチンと結合することで, 細胞外マトリックスと細胞骨格が強固につなぎとめられ, 筋細胞膜の安定化がはかられているわけである. DGはさらにこの連携を強化する役割を担うと考えられている複数のタンパク質と結合し, ジストロフィン糖タンパク質複合体を形成している. そして過去10年余の間に, これら複合体の構成タンパク質の遺伝子変異によりさまざまなタイプの筋ジストロフィーが発症することが明らかにされてきたのである. しかしながらDGはこの複合体のなかでも中核的な役割を担っていると考えられてはいるものの, その異常による疾患は見出されてはいなかった. また, DG欠損マウスが胎生致死であることから, その機能異常はヒトにおいても致命的であり, 疾患としては存在しないであろうと考えられていたのである.
Details
- Title: Subtitle
- ジストログリカンの糖鎖異常による先天性筋ジストロフィーの発症機序
- Creators
- 斉藤史明Kevin P. Campbell
- Resource Type
- Journal article
- Publication Details
- 実験医学, Vol.20(18), pp.2648-2650
- Publisher
- 羊土社
- ISSN
- 0288-5514
- Language
- Japanese
- Date published
- 2002
- Academic Unit
- Neurology; Molecular Physiology and Biophysics; Iowa Neuroscience Institute
- Record Identifier
- 9984068339902771
Metrics
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